日本ではお正月が祝われる一方、ベトナムでは『テト(ベトナム語:Tết Nguyên Đán)』と呼ばれる旧正月をお祝いします。
そして、『テト』はベトナムでは数少ない大型連休でもあり、ベトナム国民にとっては、家族が一堂に会し、食事を分かち合い、互いの絆を深める貴重な機会。
このテト休暇期間中は、ベトナム国内の各都市において、大小様々な企業や商店、施設、公的機関が閉まり、祝賀ムードとなります。
ベトナム最大の商業都市・ホーチミンも例外ではなく、多くの店舗が休業し、タクシードライバー・バイカーの数も大幅に減少してしまいます、、、!皆、市内を留守にして故郷へ帰省し、家族との時間を優先させるのです。
そのため、観光客にとっては、要注意の時期でもあります。
今回は、そんなベトナムの旧正月『テト』について紐解いていきます〜!
ベトナムの旧正月『テト』とは?
旧暦の新年をお祝い&家族との絆を大切にする特別な時間
『テト』は、ベトナムの旧正月のことで、「旧暦(太陰暦)の新年」を指します。
ベトナム人にとって『テト』とは、前年の不運を取り除き(大掃除)、新しい年の始まりを祝うだけでなく、
先祖を祀り、家族とのふれあいや感謝の気持ちを大切にするひと時でもあります。
時期は違えど、日本人の年末年始の過ごし方(年末大掃除や故郷へ里帰り)に結構似ているかと思います^^
ベトナム人の『テト』休暇中の祝い方・過ごし方
街中で「Tết Tết Tết Tết đến rồi(テッ・テッ・テッ・テッ・デン・ゾイ)〜♪」という音楽が聞こえ始め、赤や黄色の華やかな装飾が目立つようになってきたら、『テト』が近付いている合図!
ベトナムでは、テト期間中に大半の商売がお休みとなってしまうことから、テト前が年間最大規模の商戦となります。
国を挙げて「テト・セール」が至る所で行われ、まるでお祭りのような雰囲気に!
このテト前のショッピングシーズンを利用して、多くのベトナム人が新年用の服や日用品を新調したり、食材を大量に買い込んだりしているようです。
そして、各家庭でテトに振る舞う伝統料理(ちまき「バイン・チュン」など)の準備が進められたり、家の飾り付けを行ったり、、、と大忙しの準備期間を経て、ようやく!
テト本番では、親族・友人たちが故郷で一堂に会し、新年をお祝いするのです!
テト休暇の期間・日程は毎年異なる!
テト休暇の具体的な期間・日程については、旧暦に基づいて検討されるので毎年変動します。
例年、労働傷病兵社会省(以下『労働省』)が検討し、その後政府に提出して承認される形で、テト休暇の日程が確定されます。
ちなみに、2024年のテト休暇は、↓以下のスケジュール感で確定しました。
【2023年9月後半】
労働省が2案提示&関係機関へ意見聴衆(参照元:24年のテト、7連休を提案 労働省が意見聴取)
【2023年10月後半】
労働省から政府へ提案(参照元:24年のテト7連休、建国記念日4連休 労働省が政府に提案)
【2023年11月初旬】
ベトナム首相が労働省の案に同意(参照元:首相、24年のテト7連休の案に同意 建国記念日は4連休)
【2023年11月後半】
労働省が正式発表(参照元:24年のテト7連休、建国記念日4連休に 労働省が発表)
例年9〜11月にかけて、『VIETJO(ベトジョー)』などのベトナム情報サイトが、労働省や政府の動き・日程案を報じていますので、それらの情報を元に、一般人の私たちも、テト休暇に向けた準備や旅行計画を進めていくことになります!
補足:ベトナムは、正月(新暦)よりも旧正月を重視!
日本でもおなじみの正月「新暦での新年(=1月1日)」については、ここ最近のベトナムでも「年越しカウントダウンイベント」や「花火の打ち上げ」などが行われるようになってはいますが、
ベトナム全体では、1月1日の元旦が祝日となるだけで、正月期間も基本的に通常営業となります!
(ちなみに、2023年度のベトナムの年末年始休暇は、12月30日(土)〜1月1日(月)のたった3日間でした!)
多くのベトナム現地企業や商店・施設が通常営業していることに併せて、ベトナムに進出している大半の日系企業も、正月は通常営業で、旧正月のテト休暇の方を採用しているようです。
ベトナムで就業中の方々の中には、日本の正月に合わせて一時帰国を計画されることもあるかと思いますが、その場合は「有給消化」が必要となりますので、ご注意ください!
2024年のテト休暇は、2024年2月8日(木)から7連休
2024年のテト休暇は、2024年2月8日(木)~2月14日(水)の7連休になることが正式決定されました!
- 2月8日(木):振替休日
- 2月9日(金):大晦日
- 2月10日(土):旧正月
- 2月11日(日):テト休暇
- 2月12日(月):テト休暇
- 2月13日(火):テト休暇
- 2月14日(水):振替休日
商店や食事店さんの多くは、前日の2月7日(水)からテト休業に入るようです。
ベトナム国内滞在中は、各店舗の営業スケジュールを確認のうえ、計画的に行動されてくださいね〜!
テト休暇を楽しむために:ベトナム在留日本人&日本人観光客向けの注意事項
早めの旅行計画と予約手配を!
テト期間中、ベトナム各都市では、多くの商店や商業施設が臨時休業となりますので、在留日本人は、ベトナム国内に留まるよりも、国外へ旅行するか、日本へ一時帰国するのがオススメ!
ただし、テト期間中の航空券は、どの路線も完売、または、値上がりになるので、早め早めの旅行計画とフライト手配を行いましょう〜!
また、大学生の方々の中には、春休みを利用してベトナム旅行を検討されているケースもあるかと思いますが、上記の理由から、テト期間中のベトナム旅行はあまりオススメしません!
が、もしどうしても、テト期間中のベトナムへお越しになるようなことがあれば、行く先々の営業時間等をしっかりチェックのうえで旅行計画を立てて、ホテルや交通手段の予約手配も前広に行いましょう!
(たとえ営業していたとしても、テト期間中は労働人口がごっそり減ってしまうので、値上がりや予約受付の制限が予想されます!)
ベトナム文化に倣う:新年の挨拶と気配りを忘れずに!
日本の年末年始のように、テト期間中のベトナムでも、公私共にお世話になっている方々へ挨拶回りをする文化があります。
新年に合わせて簡単なベトナム語での挨拶や、「Chúc mừng năm mới (チュック・ムン・ナム・モイ)!」(※ベトナム語で「明けましておめでとう!」の意味)を言えるようになっておくと、現地の方々からきっと喜ばれるでしょう^^
緊急時の対処法・緊急連絡先の事前確認を!
テト期間中に、病気やケガ、仕事上の緊急対応に見舞われてしまうことは、無きにしもあらず、、、!
ですので、テト期間中の緊急事態に備えて、かかりつけ病院やレジデンス、仕事の取引先等の関係各所と、対処法や緊急時の連絡先を事前確認しておくと安心ですよ!
まとめ
以上、ベトナムの旧正月『テト(Tết)』についてご紹介しました。
『テト』は旧暦の新年にあたり、ベトナムで最も重要な国民の祝日・祭事となります!
新たな1年の始まりを祝福し、家族との結びつきを再確認する意味合いを持つテトでは、多くのベトナム人が故郷に帰省し、家族との団らんや伝統行事を楽しみます。
また、テト期間中は、多くの現地企業や商業施設なども臨時休業となり、ベトナム全土が祝賀ムードに包まれます。
2024年のテト休暇は、2024年2月8日(木)~2月14日(水)の7連休で、ベトナムでは数少ない大型連休となりますので、
在留日本人の方々は、現地ベトナムの文化を尊重しながら、最大限楽しみながら、テト休暇に向けた準備を進めていきましょう〜!
それでは皆さま、良いお年をお過ごしください!Chúc mừng năm mới(チュック・ムン・ナム・モイ)!