ベトナム・ホーチミンで育児をスタートして、気が付けば4ヶ月が経ちました。
我が子の成長をそばで見守られる幸せを感じながらも、初めての育児と異国での生活、そして「誰かに頼らざるを得ない」という新しい選択に、戸惑うことも少なくありませんでした。
それでも、ホーチミンというラフで多様性ある街で育児をしているからこそ気づけたこと、心が軽くなった出来事がいくつかありました。
今回は、自分の中で「ママとしての価値観」がどう変わっていったのかを振り返り、コラムとしてまとめてみました。
頼っていい、緩くていい。ホーチミンで見つけた“育児の多様性”
「もっと人に頼っていいんだ」と思えたのは、ベビーシッターさんに3時間だけ我が子を託して、夫と結婚記念日を祝った日のこと。
久しぶりに2人きりで向かった高級寿司店。ゆったりと流れる時間の中で味わうおまかせ寿司の一貫一貫が、心に沁みて、「ああ、こんな風にリフレッシュする時間って大事なんだな〜・・・。」と、しみじみ実感しました。
託児中は、ベビーシッターさんが丁寧に写真と文章で我が子の様子を報告してくれていて、「ウチの子、思ってたよりずっと託児先で楽しそう!」と安心。事前に抱いていた不安は、杞憂に終わりました。
また、あるクリニックの待合室では、欧米人ママがナニーさんに赤ちゃんを託しながら診察に来ている姿も見かけました。
赤ちゃんを抱っこ紐でおんぶしていたのは、ナニーさんの方。日本ではなかなか見ない光景に、文化の違いと合理性を感じました。
加えて、「身内がいない駐在先で、育児を全部ひとりで抱え込むなんて無理な話だよ!せっかくナニー文化がある国にいるんだから、その恩恵を受けてみたら?」
そうアドバイスしてくれた先輩駐妻ママさんの言葉に、肩の力がスッと抜けた気がしました。
そのママさんが紹介してくれたのは、過去に日本人駐在家庭を担当した経験もあるベテランナニーさん。
ちょうど夫の1週間単位の出張ラッシュ(=ワンオペ育児)を控えていたこともあり、まずは1ヶ月間、お試しでナニーさんのお力を借りることにしました。
日常で見つけた“肩の力が抜ける瞬間”
以上のようなナニー文化に触れて、「もっと緩くていい、頼っていい」と思えるようになった感覚は、さらに日常の小さな気づきや、ベトナムのアウトソーシング文化からも少しずつ根付いていきました。
例えば、住まいのレジデンス敷地内にある中庭や遊歩道を我が子と散歩していると、“部屋着&ノーメイク”のナニーさんやママさんたちの姿をよく見かけます。そんな光景からも、「乳幼児育児中は身なりはテキトーでいいや」と思えます。
そして、ある日、レジデンス内の廊下で、部屋着のままベビーカーを押して歩く隣室のママに遭遇し、話しかけてみると、我が子と同じ月齢の赤ちゃんを連れてデリバリーフードを受け取りに行く途中だとわかりました。
ちょうどその日、私も育児や離乳食作りでエネルギーを使い果たし、自炊は後回しにして外食やデリバリーに頼っていたところ。
そんな自分を「自炊できないママ」と少し責めていたのですが、お隣のママも同じようにしている姿を見て、「あ、私だけじゃないんだ」と、これまた肩の力が抜けました。
さらに夫も、「ここは物価が安くて外食やデリバリーが盛んな国なんだから、アウトソースできることは遠慮なく甘えていい。休めるときはしっかり休んでいいんだよ!」と背中を押してくれました。
こうして、完璧を目指さず、自分を少しずつ解放していく心地よさを、日常の中で徐々に感じられるようになってきたと思います。
そして、その「ゆるくていい」という感覚は、私の中にあった“自分を責める癖”にも、少しずつ変化をもたらしてくれました。
自分を責めなくていい。完璧じゃない育児が心を救ってくれた
以上のように、日常の中で少しずつ心の余白が広がっていくのを感じていきました。
そして、その余白はやがて「自分を責めなくてもいい」と思えるきっかけにつながったように思います。
もともと私は、実母からあまり褒められた記憶がなく、短所や至らない点を指摘されることが多かったせいか、ありのままの自分に自信がないネガティブ思考で、だからこそ完璧を目指してしまう癖があります。
そんな性格もあってか・・・以前まで我が子はベビーカーもバウンサーも嫌がり、寝返りしては泣く…の繰り返しで、家事も食事も思うように進まず、毎日ヘトヘトでした。(最近座れるようになってからは、ご機嫌良くひとり遊びしてくれる時間が増えました…!でも、体力もつき活発に動くようになったので、今もへとへとです笑)
心も体も疲れ切って、思うように家事も育児もこなせない自分に、「ちゃんとできない自分はダメだ」と、つい責めてしまっていました。
そんな時、3人のお子さんを育てあげた大先輩から「3人目は、泣いてても放っておいたで!赤ちゃんも自分でご機嫌取る練習や!」と軽やかに言われて、ハッとしました。
それ以来、「引きつけや異変がなければ、少し泣かせてもいいや」と心に余白ができて、自分も夫も少しずつラクに。
それに、離乳食が始まった頃には「全部手作りで、自然なものを!」と気合が入っていたものの、現実は…異国の地では買い物すら手間がかかる!(離乳食に適した食材をどこで買えるか等下調べが必要だから)
そんな時、先輩ママさんが「日本からベビーフード買ってこようか?」と声をかけてくれて、そのご厚意をきっかけにベビーフードについて調べてみたら、巷には無添加で優しい味わいのものがたくさんあることを知りました。
実際に市販のりんごピューレをあげてみると、我が子はパクパク2口ほど完食。離乳食作りのストレスから解放され、心の余裕が戻ってきた瞬間でした。
育児って、頑張りすぎると完璧を求めてしまうと、自分が壊れてしまう・・・。
だからこそ、外のチカラを借りることも、心と体を守る大切な育児のひとつ。最近は、そう素直に思えるようになってきました。
時間も自由も、こんなに尊い!今しかない育児との向き合い方
我が家のホーチミン生活は、もともと夫婦ふたりで気楽に楽しめる状態でスタートしました。
それが育児スタートとともに一変!四六時中赤ちゃんと一緒にほぼ家にいる生活に、自由を失ったような錯覚すら覚えました。
でも、今となっては、思考を切り替えて、その「自由がない毎日」こそが、尊くかけがえのない時間だと思えるようになってきています。
なぜなら、将来、子どもが幼稚園や学校に通うようになれば、また少しずつ自分の自由な時間が戻ってくるかもしれない。
その時には、きっと今以上にその時間のありがたさを実感できる自分がいるはずだから。そして、我が子が巣立つ時、我が子との時間を恋しく思う自分もきっといるはずだから——
そんな風に前向きに思えるようになったのは、育児の合間に、超ポジティブな夫と何度も対話を重ねてきたからでした。
「今が一番大変だけど、一番貴重な時間なんだよね」「我が子と四六時中一緒に過ごせるのは、実は今この一瞬だけだよね」とお互いに言葉を交わしながら、今この時期がいかに尊いか、どう過ごすかを一緒に考えてきました。
寝返りができるようになった、ズリバイができた、座れるようになった……そんな我が子の“初めて”の連続を、側で見届けられる今を、夫婦でかみしめていきたい、ホーチミン生活も長くて残り2〜3年だと思うので、大切に過ごしていきたい、と思っています。
まとめ
ホーチミンで育児を始めてからの4ヶ月は、「もっと人に頼っていい」「完璧じゃなくていい」「今という時間が一番大切」——そんな風に、少しずつ価値観が変わっていった時期でした。
育児をしていると、「こうあるべき」「頑張らなくちゃ」と思いがちだけど、少し緩めて、自分を許すことも、わが子と向き合ううえでとても大切なんだと気づきました。
この国には、ナニー・メイドさん文化や豊富な外食・デリバリー文化、育児を支えてくれる人の優しさがあります。
それらに助けられながら、私は今日もホーチミンで、少しずつママとして成長していけたらと思います・・・!

